和風住宅の外壁塗装は普通の家と何が違う?素材別「塗る・塗らない」の見極めをプロが解説
2026.07.27 (月) 公開

「実家の木の柱や軒天が色あせてきた。普通の塗装屋さんに頼んで大丈夫なのかな…?」
「見積もりに来た業者さんに『外壁も木の部分も、全部まとめてきれいにできますよ』と言われた。便利そうだけど、逆に少し不安——」
稲沢市周辺には、昔ながらの日本家屋や、木材をふんだんに使った和風住宅——いわゆる「木の家」も多く残っています。そうしたお住まいの外壁塗装・塗り替えで、まず知っていただきたい大切なことがあります。
結論からお伝えすると、和風住宅は「家全体を同じ塗料で塗る住宅」ではなく、「素材ごとに適切なメンテナンス方法を選ぶ住宅」です。
木部・漆喰・土壁・焼杉・瓦・銅板——和風住宅にはたくさんの素材が使われており、中には塗らない方がよい素材や、塗装よりも補修を優先すべき素材もあります。サイディング住宅と同じ考え方で施工すると、仕上がり不良や早期の劣化につながる場合があるのです。
この記事では、和風住宅とサイディング住宅の違いから、素材別の「塗る・塗らない・補修する」の見極め方、業者選びの注意点まで、稲沢市の外壁塗装・屋根塗装専門店「家康ペイント」が解説します。
💡 この記事はこんな方におすすめです
- 和風住宅・日本家屋にお住まいで、塗り替えを検討している方
- 木部の色あせ・漆喰の剥がれなど、気になる症状がある方
- 業者の見積もりが「外壁塗装一式」で、内容に不安がある方
和風住宅(日本家屋)はどんな家?サイディング住宅との違い
和風住宅・日本家屋に厳密な定義はありませんが、この記事では木部や塗り壁など、昔ながらの素材を多く使った住宅を指します。たとえば、次のような素材が組み合わされています。
- 木部: 柱・梁(真壁づくりの化粧柱)、軒天、破風板、格子、濡れ縁、玄関まわり
- 塗り壁: 漆喰、土壁、聚楽壁(じゅらくかべ=和室などに使われる土もの仕上げ)
- 板張り: 焼杉板(表面を焼いて炭化させた杉板)、羽目板
- 屋根: 和瓦(陶器瓦・いぶし瓦)、棟の漆喰
- 金属: 銅板の庇や谷樋、板金部
一方、現在主流のサイディング住宅は、工場生産された外壁材(窯業系・金属系サイディング)で家全体を覆う造りです。両者の違いを整理すると、こうなります。
| サイディング住宅 | 和風住宅 | |
|---|---|---|
| 外壁の素材 | ほぼ1〜2種類で統一 | 木・漆喰・土壁・焼杉など複数の素材が混在 |
| メンテナンスの考え方 | 外壁・屋根をまとめて塗装するのが基本 | 素材ごとに「塗る・塗らない・補修する」を分けて考える |
| 塗料の選び方 | 外壁用塗料を面ごとに選定 | 素材ごとに適した塗料・工法が異なる |
| 業者に必要な知識 | 標準的な塗装知識で対応しやすい | 素材の見極めと素材別の施工経験が必要 |
つまり和風住宅は、いわば「素材の集合体」。1軒の中に、性質のまったく違う素材がいくつも同居している住宅なのです。
なお、同じ木造住宅でも、外壁全体がサイディングで覆われているお住まいなら、一般的な外壁メンテナンスの考え方で対応できます。この記事は、木部や木の外壁・塗り壁が外に現れている住宅のための内容です。
なぜ和風住宅の塗装は難しいのか——3つの理由
和風住宅の塗り替えが「業者の腕と知識の差が出やすい」のには、はっきりした理由があります。
理由①: 素材ごとに塗料・工法・下地処理が違う
木は呼吸するように水分を吸ったり吐いたりして伸縮します。漆喰や土壁は表面がデリケートで、塗料の吸い込み方もまったく違います。素材に合わない塗料を使うと、密着しない・すぐ剥がれる・素材の良さを殺してしまう、といったことが起こりがちです。
理由②: 「塗らない方がよい素材」が混ざっている
後ほど詳しく解説しますが、陶器瓦や銅板のようにそもそも塗装が不要な素材、焼杉のように塗らないという選択が合理的な素材があります。「全部塗ります」という提案は、一見丁寧なようで、素材を見ていないサインかもしれません。
理由③: 素材の見極め自体に経験が必要
たとえば瓦は、見た目が似ていても「塗装が必要な瓦」と「不要な瓦」があります。漆喰も、塗装で対応できる状態か、補修が先の状態かの判断が必要です。施工の技術以前に、「これは何の素材で、今どんな状態か」を見極める目が問われるのです。
なお、どの素材でも共通して大切なのが塗装前の下地処理です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【塗装が長持ちする秘訣】外壁塗装の下地処理とは?手を抜くとどうなる?
素材別「塗る・塗らない・補修する」の見極め方

ここからが本題です。まず、和風住宅の主な素材と基本方針を一覧にしました。
| 素材 | 基本方針 | ポイント |
|---|---|---|
| 木部(軒天・破風・格子など) | 塗る | 塗料選び(浸透型か造膜型か)が重要 |
| 漆喰 | 状態により補修が先 | 剥がれ・浮きは塗装では直らない |
| 土壁・聚楽壁 | 原則塗らない | 左官補修の領域 |
| 焼杉板 | 塗らない選択もある | 炭化層が保護膜の役割 |
| 陶器瓦・いぶし瓦 | 基本塗装不要 | メンテの中心は棟漆喰とズレ点検 |
| セメント瓦・モニエル瓦 | 塗る | 塗装によるメンテが必要な瓦 |
| 銅板(庇・谷樋) | 塗らない | 緑青(ろくしょう)は保護皮膜 |
| トタン・鉄部板金 | 塗る | ケレン+錆止めが前提 |
それでは、素材ごとに見ていきましょう。
木部の塗装——「浸透型」と「造膜型」の選び方で仕上がりが変わる
柱・軒天・破風板・格子などの木部は、和風住宅の塗装で最も重要な部分です。木部用の塗料は大きく2種類に分かれます。
| 浸透型(含浸タイプ) | 造膜型(塗膜タイプ) | |
|---|---|---|
| 仕組み | 木の内部に浸み込んで保護する | 表面に塗膜の層を作って保護する |
| 見た目 | 木目を活かせる | 木目は塗りつぶされる(ペンキ調) |
| 特徴 | 木の呼吸(湿気の出入り)を妨げにくい | 防水性・耐候性は高め |
| 弱点 | 耐久年数が短め(再塗装3〜5年が目安と言われます) | 塗膜が割れてすき間から水が入ると、剥がれや木の傷みの原因になることも |
どちらが正解、というものではありません。判断の軸は次の3つです。
- 木目の風合いを残したいか: 残したいなら浸透型が基本
- 前回どちらの塗料で塗られているか: 造膜型の上に浸透型は浸み込まないため、木目に戻すには塗膜の剥離作業が必要になる場合があります
- 木の傷み具合: 灰色化や腐朽が進んでいる場合、塗装の前に木部の補修・交換が必要なことも
放置するとどうなる?——保護が切れた木部は雨水を吸い込みやすくなり、腐朽菌が繁殖して内部から傷んでいくことがあります。腐朽が進むと塗装では対応できず、部材の交換工事が必要になる場合も。色あせや黒ずみは「保護が切れ始めたサイン」と捉えて、早めの点検をおすすめします。
漆喰——「塗装」ではなく「補修」が基本の素材
白壁の漆喰は、和風住宅の顔ともいえる素材です。ただし漆喰のメンテナンスは、塗装よりも補修(塗り直し・部分補修)が基本になる場合が多い素材です。
- 剥がれ・浮き・ひびがある場合: 上から塗料を塗っても下地ごと剥がれてしまうため、まず漆喰そのものの補修が必要です
- 漆喰は湿気を吸ったり吐いたりする「呼吸する壁」。通気を妨げるタイプの塗料で塗りつぶすと、内部に湿気がこもり、かえって劣化を早める場合があります
- 汚れや黒ずみが主な悩みなら、塗装ではなく洗浄や漆喰の塗り重ねで解決できることもあります
状態によっては塗装での対応も可能ですが、その場合も透湿性(湿気を通す性質)に配慮した塗料選びが大切です。「漆喰だから補修か塗装かを見極める」——この一言が出てくるかどうかが、業者の経験の分かれ目です。
放置するとどうなる?——ひび割れや剥がれをそのままにすると、そこから雨水が入り、漆喰の下の土壁や木下地まで傷んでしまう可能性があります。小さな剥がれのうちに部分補修すれば、負担も小さく済みます。
土壁・聚楽壁——原則、一般の塗料では塗らない
土壁や聚楽壁は表面が砂状でもろく、一般的な外壁塗料を塗っても下地ごとポロポロと剥がれてしまうリスクが高い素材です。基本的には左官職人による補修・塗り直しの領域で、塗装で解決しようとしない方が安全です。どうしても塗装する場合は、下地の固着処理を含めた特別な工程が必要になります。また、剥がれや欠けを放置すると雨水で崩れが広がりやすいため、気づいた時点で早めの補修をおすすめします。
焼杉——「塗らない」が正解のこともある
表面を焼いて炭化させた焼杉板は、炭化層そのものが保護膜の役割を果たしている外壁材です。触ると手が黒くなるのは劣化ではなく、この素材の性質です。
- 炭化層が健全なうちは、あえて塗装しないという選択が合理的な場合があります
- 強い高圧洗浄をかけると保護膜である炭化層を洗い落としてしまうことがあるため、洗浄の仕方にも注意が必要です
- 炭化層が薄くなり木肌が見えてきた場合は、木部用塗料での保護を検討します
ただし、炭化層が失われた木肌をそのまま放置すると、一般の木部と同じように雨水による傷みが進みやすくなります。「木の外壁だから何もしなくていい」ではなく、炭化層の状態を定期的に確認することが大切です。
瓦——塗装が必要な瓦と、不要な瓦がある
「屋根も一緒に塗りましょう」という提案を受けたら、まず瓦の種類を確認してください。
- 陶器瓦(釉薬瓦)・いぶし瓦: 表面が焼き物として仕上がっており、基本的に塗装は不要です。塗っても密着しにくく剥がれやすいうえ、いぶし瓦は独特の風合いを損ねてしまいます。メンテナンスの中心は、棟の漆喰の補修と瓦のズレ・割れの点検です
- セメント瓦・モニエル瓦: 塗装で保護するタイプの瓦で、こちらは塗り替えの対象です
注意したいのは、「塗装不要」は「メンテナンス不要」ではないということ。棟漆喰の崩れや瓦のズレを放置すると、そこが雨水の入り口になり、雨漏りにつながることがあります。
見た目が似ていて判別が難しい屋根材もあります。「塗装できない・しない方がよい屋根材」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
塗装できない屋根材7選|ノンアスベスト屋根の見分け方と対処法
銅板・板金部——緑青は「錆びた」のではなく「守っている」
庇(ひさし)や谷樋に使われる銅板は、年月とともに緑色(緑青=ろくしょう)に変化します。これは劣化ではなく、銅の表面を保護する皮膜。基本的に塗装は不要で、塗らずに経年変化を楽しむ素材です。一方、トタンなどの鉄部板金は錆びる素材なので、ケレン(錆落とし)と錆止めを前提とした塗装が必要です。錆を放置すると進行して穴あきにつながり、雨漏りの原因になることがあるため、広がる前の対処が大切です。
見積もりで分かる。和風住宅に慣れた業者の見極め方
ここまでの内容を踏まえると、見積もりの段階で業者の経験値をある程度見極められます。
注意したいサイン
- 木部・漆喰・瓦まで「外壁塗装一式」とひとくくりで、素材ごとの内訳や工法の説明がない
- 木部の塗料が浸透型か造膜型か、説明がない(現状の確認もない)
- 陶器瓦やいぶし瓦なのに屋根塗装を勧められる
こうした提案がすべて悪いというわけではありません。ただ、和風住宅の施工経験が少ない業者に依頼すると、素材に合わない塗料による早期の剥がれや、風合いを損ねる仕上がりにつながるリスクが高くなります。
業者に聞いてみたい3つの質問
- 「木部は浸透型と造膜型、どちらで塗りますか?その理由は?」
- 「漆喰は塗装ですか?補修ですか?」
- 「うちの家で、塗らない方がよい場所はありますか?」
3つ目の質問が特に有効です。素材を見ている業者なら、「瓦は塗りません」「銅板はそのままが一番です」といった「塗らない提案」が具体的に返ってくるはずです。答えに詰まったり、「全部塗った方がお得です」で押し切られたりする場合は、いったん持ち帰って相見積もりをおすすめします。
家康ペイントの和風住宅への向き合い方
家康ペイントでは、和風住宅のご相談をいただいたとき、まず「素材の診断」から始めます。
- 経験豊富な診断士が、木部・塗り壁・板張り・板金を素材ごとに確認します
- 屋根はドローンでの撮影も併用し、瓦の種類と状態(棟漆喰・ズレ・割れ)を登らずに確認できます
- お見積もりは「一式」ではなく、「塗る場所・塗らない場所・補修する場所」を分けてご提案します
そして、塗らない方がよい場所は「塗りません」とはっきりお伝えします。診断の結果、「今回は漆喰の補修だけで十分です」「瓦は点検のみで大丈夫です」というご提案になることもあります。それは工事金額としては小さくなりますが、お住まいにとって正しい判断なら、そちらを優先するのが家康ペイントの方針です。しつこい営業は一切しません。
まずは「素材の診断」から始めましょう
和風住宅の塗り替えで大切なのは、「どの塗料で塗るか」の前に、「どこを塗って、どこを塗らないか」を正しく仕分けることです。これはご自身で判断するのが難しい部分でもあります。
家康ペイントの無料診断では、次のことが分かります。
- ご自宅にどんな素材が使われているか(瓦の種類・木部の現状の塗料タイプを含む)
- 塗るべき場所と、塗らない方がよい場所
- 塗装よりも補修を優先すべき箇所(漆喰・木部の傷みなど)
- 対応の優先順位と時期の目安
「今は何もしなくて大丈夫です」という箇所が分かることも、大切な安心材料です。他社様の見積もりのセカンドオピニオンや、相見積もりの1社としてのご利用も歓迎です。無料診断の内容について詳しくはこちらもご覧ください。
外壁・屋根の無料診断5つのメリット
よくある質問(FAQ)
Q. 木部だけの部分的な塗装もお願いできますか?
A. 可能です。木部は外壁よりも塗り替え周期が短いため、木部だけのメンテナンスは合理的な選択です。ただし、せっかくの機会ですので、他の素材の状態もあわせて診断を受けておくと安心です。
Q. 漆喰の壁の上から塗装はできますか?
A. 状態によります。剥がれや浮きがある場合は、塗装ではなく漆喰の補修が先です。塗装で対応する場合も、漆喰の通気性を損ねにくい塗料選びが大切です。まずは現状の診断をおすすめします。
Q. 瓦屋根は塗装した方がいいのでしょうか?
A. 瓦の種類によります。陶器瓦・いぶし瓦は基本的に塗装不要で、メンテナンスの中心は棟漆喰の補修とズレ・割れの点検です。セメント瓦・モニエル瓦は塗装によるメンテナンスが必要です。
Q. 木部の塗り替えは何年ごとが目安ですか?
A. 浸透型塗料の場合で3〜5年程度が目安と言われています。日当たりや雨のかかり方など環境によって変わるため、色あせや黒ずみが出てきたら点検のタイミングです。
Q. 築50年の古い家ですが、塗装できますか?
A. 築年数そのものより、素材と下地の状態が判断基準になります。木部の傷みや漆喰の浮きなど、補修を先に行うべき箇所を見極めたうえで、できること・すべきことをご提案します。まずは診断で現状を確認しましょう。
まとめ
- 和風住宅は「家全体を同じ塗料で塗る住宅」ではなく、「素材ごとに適切なメンテナンス方法を選ぶ住宅」
- 木部は浸透型か造膜型かの選択が重要。前回の塗料と木の状態で選択肢が変わる
- 漆喰は塗装より補修が先の場合がある。土壁・聚楽壁は原則塗らない
- 陶器瓦・いぶし瓦・銅板は基本塗装不要。焼杉は「塗らない」が正解のことも
- 業者選びは「塗らない方がよい場所はありますか?」の質問が有効。素材の内訳がない「一式」見積もりには注意
- どの素材も早めの点検なら小さな補修で済むことが多い。放置して交換工事になる前の相談がおすすめ
家康ペイントは、稲沢市を拠点に一宮市・清須市・あま市・津島市・愛西市・名古屋市など愛知県全域で対応する外壁塗装・屋根塗装専門店です。昔ながらのお住まいこそ、素材を見極めた丁寧なご提案をお約束します。
無料診断で確認できること
- ご自宅の素材の種類(瓦・木部・塗り壁の見極め)
- 塗る場所・塗らない方がよい場所の仕分け
- 補修を優先すべき箇所の有無
- 屋根の状態(ドローンで撮影するので登る必要はありません)
相談のみのご利用も、相見積もりも歓迎です。
お電話でのご相談もお気軽にどうぞ(0120-034-640)。

【監修】
日置雄一(家康ペイント 代表取締役)
建設業(足場工事)で25年以上現場に携わり、外壁塗装・屋根工事における安全性や施工品質の判断に精通。その経験をもとに、稲沢市でISO9001認証を取得した外壁塗装専門店「家康ペイント」を設立し、地域の住宅メンテナンスに従事。現場目線に基づいた施工基準と品質管理の観点から、本記事の内容を監修。
【執筆】
家康ペイント(自社スタッフ)
稲沢市を拠点に、外壁塗装・屋根塗装に関する情報発信およびWeb運用を担当。施工事例や現場の情報をもとに、専門的な内容を分かりやすく発信しています。






















