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塗装できない屋根材7選|ノンアスベスト屋根の見分け方と対処法

カバー工法屋根工事屋根塗装

2024.08.07 (水) 公開 最終更新日: 2026.05.19 (火)

屋根の中でも塗装ができない屋根があることをご存じでしょうか?

屋根は普段見えにくいため、屋根材の種類を把握していないケースもあります。

1990年代〜2000年代に製造された一部の「ノンアスベスト屋根材」は、塗装が適さない場合があります。

今回の記事では、
・なぜ塗装できないのか
・代表的な屋根材の種類と見分け方
・確認方法と対処法
を順に解説します。

ご自宅の屋根が1990年代~2000年代に施工された可能性がある場合は、屋根材によって塗装が適さないケースがあるため、ぜひ最後までご確認ください。

たけちお
たけちお
屋根材の見分け方も解説しています。築15〜30年前後の方は特にご確認ください。

そもそも、アスベストとは?

まず、アスベストについて簡単に説明します。
「アスベスト」とは、かつて広く使用されていた鉱物繊維で、その耐久性や断熱性から建築資材として重宝されていました。
スレート屋根や外壁、天井などにも使用されてきました。

しかし、アスベストは毒性があり、粉末を吸い込むと肺がんや悪性中皮種など様々な被害を引き起こすことが明らかになり、4段階によって規制されてきました。アスベスト4段階の規制

  • 1975年(昭和50年)「特定化学物質等障害予防規則」の改正により、アスベスト含有率が5%を超える吹付けを原則禁止
  • 1995年(平成7年)「労働安全衛生法施行令」等の改正により、アスベスト含有率が1%を超える吹付けを原則禁止
  • 2004年(平成16年)「労働安全衛生法施行令」の改正により、アスベスト含有率が1%を超える建材や摩擦剤、接着剤など10品目の製造・使用が禁止
  • 2006年(平成18年)「労働安全衛生法施行令」の改正により、アスベスト含有率が0.1%を超える製品全般の製造・使用が禁止

アスベストが問題となった1975年では吹付のみが禁止でしたが、2006年には製品全般が禁止されるようになりました。
健康面の不安がきっかけで規制が進み、代替として毒性のない「ノンアスベスト」製品が普及しました。

1990年代~2000年代のノンアスベスト屋根に起きた問題

ノンアスベストの屋根材は、軽量・断熱性・環境配慮などのメリットを持つ一方で、ある重大な欠点が出てしまいました。

1990年代~2000年代に開発されたノンアスベストの屋根は、耐久性や強度に大きな問題を抱えていることが判明しました。
築後10年以上経過すると、割れや欠けなどの不具合が現れてくるようになったのです。

一般的なスレート屋根

耐用年数:20~30年
定期的な塗り替え塗装は10年ごとでOK

1990年代~2000年代のノンアスベストスレート屋根

耐用年数:わずか10年
この期間に販売されたノンアスベストのスレート屋根の場合、10年前後でひび割れや欠け等の不具合が発生し、塗装では対応が難しくなるケースがあります。

一般的なスレート屋根と比べると寿命が10~20年も違い、塗り替え塗装ではなく修理や張替えが必要になってきます。

塗装できないノンアスベスト屋根材の種類

「塗装できるかどうか確認したい」というお問い合わせをいただくことがあります。
環境に配慮し試行錯誤の上で販売されたノンアスベスト屋根材ですが、トラブルが多い屋根材です。
具体的な7種類についてお話します。

①コロニアルNEO(2003年販売中止:ひび割れ・欠けが発生しやすい)

コロニアルNEOの劣化状態

2001年:クボタ株式会社(現ケイミュー株式会社)が販売したスレート屋根材です。
施工後8~10年で、ひび割れや欠け、変色が目立つようになります。

見分け方のポイント:屋根材の表面に細かなひび割れが入っている、端部が欠けている、全体的に色があせている場合はコロニアルNEOの可能性があります。後継品の「コロニアル・グラッサ」「コロニアル・クァッド」と混同しやすいため、施工年と図面で確認することが確実です。

②パミール屋根(2008年販売中止:層間剥離が起きやすい)

パミール屋根の層間剥離状態

1996年:外装建材メーカー・ニチハが販売したスレート屋根材です。
施工後8~10年で劣化が顕著になります。

見分け方のポイント:屋根の先端がミルフィーユ状にパリパリと剥がれている「層間剥離」が最大の特徴です。剥がれる前段階では屋根の先端が白く変色します。屋根のズレや脱落が起きている場合も要注意です。

③セキスイかわらU(2013年販売中止:割れ・剥離が出やすい)

セキスイかわらUの割れ・剥離状態

1990年:積水化学工業株式会社が発売した瓦です。ノンアスベスト屋根の先駆け商品です。
施工後10年前後でひび割れや剥離、変色が見られます。

見分け方のポイント:瓦のような形状をしたスレート系屋根材で、上に乗っただけで簡単に割れてしまうほど脆くなっているケースがあります。屋根の上に割れた破片が散らばっている場合は特に注意が必要です。

④レサス(2006年販売中止:細かなひび割れ・扇状の欠損)

レサスの扇状欠損状態

1999年:松下電工から発売したスレート屋根です。
細かなひび割れや、扇型に大きく割れるような欠損が発生します。
塗装しても強度自体は戻せないため、メンテナンスとして塗る意味がありません。

見分け方のポイント:扇状(半円状)の欠損が特徴的です。屋根材の一部が扇のように欠け落ちていたら、レサスの可能性を疑ってください。

⑤シルバス(2006年販売中止:ひび割れ・欠損が多発)

シルバスのひび割れ・欠損状態

2001年:松下電工から発売したスレート屋根です。レサスの上位商品として販売されました。
レサスと同様に、ひび割れ、欠損が多く発生しています。
通常のスレートに必要な「縁切り」や「タスペーサー」の作業でも割れが起きやすいです。

見分け方のポイント:外見上はレサスと似ていますが、全体的なひび割れに加え、屋根の端部(軒先)が特に欠けやすい傾向があります。レサスより厚みがある場合はシルバスの可能性があります。

⑥アーバニーグラッサ(2005年販売中止:細かなひび割れ・補修困難)

アーバニーグラッサの細かなひび割れ状態

2001年:クボタ株式会社(現ケイミュー株式会社)が販売したスレート屋根材です。
うろこのように入り組んだデザインで強度が弱く、細かなひび割れや欠損が多く発生します。
部分差し替えや補修がしにくい特徴があります。

見分け方のポイント:うろこ状・波状の独特なデザインが特徴です。見た目はおしゃれですが、そのデザインの複雑さが強度の低さにつながっています。同じケイミュー製品でも現行品とは形状が大きく異なります。

⑦ザルフグラッサ(2006年販売中止:端部の割れ・層状剥離)

ザルフグラッサの端部割れ・層状剥離状態

1990年代:クボタ株式会社(現ケイミュー株式会社)が販売したスレート屋根材です。
ひび割れが多く起こるほか、劣化が進むとパミールのような層状剥離も発生することがあります。
特に両端部分がひび割れ、欠落しやすい特徴があります。

見分け方のポイント:屋根材の両端(左右の端)が欠けているかどうかを確認してください。端部から崩れていくのがザルフグラッサの典型的な劣化パターンです。

結論|代表的なノンアスベスト屋根材の塗装可否の目安

屋根材 塗装の現実性(目安)
①コロニアルNEO 欠け・反りがない場合のみ塗装を検討。劣化があればカバーを優先。
②パミール 層間剥離が起きる構造のため、塗装での延命は現実的ではない。
③セキスイかわらU 割れ・剥離がある場合は塗装は推奨しない。状態が安定している場合のみ慎重に判断。
④レサス 基材劣化がある場合は塗装よりカバーを優先。
⑤シルバス 欠損・割れがある場合は塗装のみでの対応は難しい。
⑥アーバニーグラッサ ひび割れ進行例があるため、劣化があれば塗装以外を検討。
⑦ザルフグラッサ 端部劣化が確認された場合は塗装は推奨しない。

※最終判断は屋根材の劣化状況により異なります。点検での確認が必要です。

ノンアスベスト屋根材が塗装できない理由

①屋根材が剥がれてしまうから

パミールに代表されるノンアスベスト屋根は、劣化が進行すると屋根材表面がミルフィーユ状に剥離してしまう「層間剥離」を起こします。
屋根の表面に塗装を施しても屋根材自体が剥がれてしまうため、塗装メンテナンスが無駄になってしまいます。

②耐久性が弱く、高圧洗浄に耐えられないから

塗装前に行う高圧洗浄は、脆くなった屋根材がその圧力に耐えられず、屋根材が損傷してしまうリスクがあります。

以上の2点から、ノンアスベスト屋根への塗装は一般的に困難であり推奨されていません。

塗装は美観を保ち屋根の耐久性を向上させることを目的としているため、もともと耐用年数が10年しかないノンアスベスト屋根には、塗装による十分な延命効果が期待しにくいのです。

「もう長くは住まない」「美観だけ整えたい」という特別な事情がある場合を除いて、状況に応じて塗装以外の工法を検討する必要があります。

自分でできる!ノンアスベスト屋根の見分け方3ステップ

「1990〜2000年代に家を建てたけど、うちの屋根は大丈夫?」と心配な方のために、自分でできる確認方法をステップ順に解説します。

ステップ1|築年数を確認する

1990年〜2004年頃に建てられた家は、ノンアスベスト屋根材が使われている可能性があります。
この時期はアスベスト規制の切り替わり期にあたり、各メーカーが試行錯誤でノンアスベスト製品を投入していた時代です。

まず、登記簿や住宅ローンの書類、ご自身の記憶などで建築年を確認してみましょう。

ステップ2|地上から屋根の見た目を確認する

屋根には絶対に自分で上らないでください(転落の危険があります)。
地上から双眼鏡で見るか、業者のドローン調査を利用しましょう。

以下の症状が見られる場合は要注意です:

アスベストの屋根症状が見られる場合は要注意

  • 屋根材の先端がミルフィーユ状に層状に剥がれている(層間剥離)
  • 屋根材に細かなひび割れが入っている
  • 屋根材の端部(軒先・左右の端)が欠けている・落ちている
  • 屋根全体が白く変色している、または色ムラがある
  • 雨樋の中に屋根材の破片・粉が溜まっている

🔍 とはいっても、屋根の状態、自分では確認しにくいですよね

「地上から見ても、屋根の細かい状態まではわからない…」というのが正直なところだと思います。

家康ペイントでは、ドローンによる屋根調査を行っています。

  • 梯子を使わない
  • 屋根に人が上らない
  • ボロボロに劣化した屋根でも安全に点検できる

劣化が進んだノンアスベスト屋根は、人が乗るだけで割れてしまうケースもあります。ドローン調査なら、そのリスクなしに屋根の状態を細かく確認できます。

「うちの屋根がどの状態か知りたい」という方は、まず無料のドローン点検からご相談ください。

現在の屋根の状況を調べてみる

ステップ3|施工時の図面・仕様書で屋根材名を確認する

建物の施工時の図面・仕様書には、使用された屋根材の詳細が記載されていることが多く、屋根材の種類を正確に知ることができます。

図面・仕様書が手元にない場合は、当時の施工店に問い合わせてみましょう。

図面・仕様書の保存期間

■ 建設業法
→ 帳簿の保存:5年間

■ 住宅瑕疵担保責任(新築住宅)
→ 構造耐力上主要な部分・雨水の侵入を防止する部分:10年間

■ 住宅瑕疵担保履行法
→ 保険・供託に関する記録:10年間

仕様書に「コロニアルNEO」「パミール」「セキスイかわらU」「レサス」「シルバス」「アーバニーグラッサ」「ザルフグラッサ」のいずれかが記載されていたら、塗装よりカバー工法や葺き替えを検討するサインです。

施工店がすでに廃業していた場合や、症状がひどく急いで確認したい場合は、信頼できる専門業者に点検を依頼してください。
状態を調べるためのドローン調査も有効です。

屋根材によっては、塗装よりも別の工法の方が結果的に安心につながることがあります。
まずは現状に合う選択肢を整理するために、点検で屋根材と劣化状況を確認してください。

無料診断で確認する

屋根塗装できない場合の対処法① 屋根カバー工法

塗装が難しいノンアスベストの屋根材に対して、最も多く選ばれる工法が「カバー工法」です。
カバー工法とは、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねる工法です。
既存の屋根材を剥がさずに新しい屋根を設置できるため、施工が比較的簡単でコストも抑えられます。

カバー工法の利点

  1. コスト削減:既存の屋根材を撤去する手間や費用がかからないため、全体のコストを抑えることができます。
  2. 施工期間の短縮:屋根材の撤去が不要なため、施工期間が短くなります。
  3. 建物への負担軽減:軽量な屋根材を使用することで、建物への負担を最小限に抑えられます。
  4. 断熱性の向上:新しい屋根材によって断熱性が向上し、エネルギー効率が改善されます。

▼▼カバー工法について詳しい記事はこちらをご覧ください▼▼

カバー工法徹底解説!エリア別4つのメリットデメリットについて

 

屋根カバー工法メーカー別おすすめ完全ガイド

 

家康ペイントの施工事例(一例)

家康ペイントでも、カバー工法での施工をさせていただいております。
下記をクリックしてご覧下さい

・カバー工法:スーパーガルテクト(岐阜県海津市 A様邸)
・カバー工法:Tルーフ・クラシック(稲沢市 I様邸)
・カバー工法:Tルーフ・モダン(小牧市 I様邸)

<屋根塗装できない場合の対処法②「屋根葺き替え(ふきかえ)工事」

「屋根葺き替え工事」は、既存の屋根材を完全に撤去し、新しい屋根材を取り付ける方法です。

  1. 長寿命:新しい屋根材を使用するため、屋根の寿命が大幅に延びます。現在屋根に発生している問題・耐久性の低下を一度に回復できます。
  2. 完全なリニューアル:屋根の下地まで確認できるため、構造的な問題も同時に解決できます。
  3. 美観の向上:新しい屋根材を使用することで、建物の美観が向上します。

デメリットとして、屋根を撤去し新しい屋根材を取り付けるため工事規模が大きく、旧屋根の処分費などもプラスしてかかるため、カバー工法と比較してコスト・工事期間が大きくなります。

屋根材が著しく劣化している場合は屋根カバー工法の施工ができないケースもあります。その場合は屋根葺き替え工事をおすすめしています。

まとめ

ノンアスベストの屋根材は安全性や環境への配慮から普及しましたが、その半面、耐久性が弱く劣化が早いという欠点も多く見られ、塗装が難しいという課題があります。

特に「コロニアルNEO」「パミール」「セキスイかわらU」は著しい劣化進行・特徴的な劣化パターンなどの問題を抱えています。

しかし、カバー工法や屋根葺き替え工事など適切なメンテナンスを行うことで、安全で快適な住環境を保つことは十分に可能です。

専門業者によっては、知識・経験の乏しさからノンアスベスト屋根材であるにもかかわらず、塗装によるリフォーム提案をしてしまうケースもあります。

  • 築15年前後
  • 屋根にひび割れや欠けがある
  • 過去に一度も屋根点検をしていない

このような場合は、塗装可能かどうかを含めた診断が必要です。信頼ある専門業者に一度見てもらいましょう。

「うちの屋根、塗装できる?」と迷ったら、まず点検を。
家康ペイントでは屋根・外壁の無料診断を実施しています。
稲沢市・一宮市・あま市・名古屋市の方、お気軽にご相談ください。

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ご自宅にノンアスベスト屋根材が使用されている可能性がある方、ノンアスベスト屋根の修理をご検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

【監修】

日置雄一(家康ペイント 代表取締役)

建設業(足場工事)で25年以上現場に携わり、外壁塗装・屋根工事における安全性や施工品質の判断に精通。その経験をもとに、稲沢市でISO9001認証を取得した外壁塗装専門店を設立し、地域の住宅メンテナンスに従事。現場目線に基づいた施工基準と品質管理の観点から、本記事の内容を監修。

【執筆】

家康ペイント(自社スタッフ)

稲沢市を拠点に、外壁塗装・屋根塗装に関する情報発信およびWeb運用を担当。施工事例や現場の情報をもとに、専門的な内容を分かりやすく発信しています。

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