高圧洗浄とバイオ洗浄の違い|メリット・デメリット | 完全ガイド
2024.07.10 (Wed) 更新
外壁や屋根は、雨や太陽の紫外線、車の排気ガス、チリやほこり、カビや藻等、様々な原因で日々汚れていきます。
そこで汚れを落とす、「洗浄」をすることが大切になってきます。
建物の外壁や屋根の洗浄は、美観を保つだけでなく、素材の寿命を延ばすためにも重要なメンテナンスです。
洗浄の中にも、大きく二種類あるのをご存じでしょうか?
それが、「高圧洗浄」と「バイオ洗浄」です。
今回の記事では、高圧洗浄とバイオ洗浄の違いやそれぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説し、最適な洗浄方法を選ぶためのポイントを紹介します。
適性や・価格の表はコチラになります。
それではそれぞれ、詳しく解説していきます。
高圧洗浄とは?
高圧洗浄は、高圧の水流を用いて汚れを物理的に除去する洗浄方法です。
水のみを使用して行います。
高圧ポンプを使用し、強力な水圧で噴射することで、外壁の固着した汚れや付着物を洗い流します。
一戸建て、住宅やビルの外壁以外にも、車両、さらには産業用機器の洗浄に広く用いられています。
高圧洗浄がおすすめの外壁の状態
- 頑固な汚れや塗膜の剥がれがある場合
- 塗り替え前に旧塗膜をしっかりと除去する必要がある場合
- コンクリートやモルタルなどの硬い素材の外壁
- 表面が比較的平滑で、洗浄の際にダメージを受けにくい素材
高圧洗浄の効果
高圧洗浄の主な効果は以下の通りです
- 汚れの強力除去:高圧の水流により、頑固な汚れや付着物を短時間で除去できます。水圧により、汚れを剥がすイメージです。
- 迅速な作業:即効性が高く、大規模な面積の洗浄も迅速に行えます。
- 多用途性:様々な表面や素材に適用可能で、建物、車両、設備など多くの用途に使用できます。
メリット
- 強力な洗浄力:頑固な汚れや塗膜を効率的に除去できる。
- 迅速な作業:広い面積を短時間で洗浄可能。
- 化学薬品不要:基本的に水のみで行うため、化学薬品の使用を避けられる。
- コストパフォーマンス:比較的低コストで高い洗浄効果を得られる。
- 環境に優しい:水のみを使用するため、環境への負荷が少ない。
デメリット
- 効果の限界:苔やカビなどの根深い汚れには完全な効果が得られない場合があります。
- 高所作業の難易度:高所での作業が難しく、専門的な技術が必要。
- 水の飛散:洗浄時に大量の水が飛び散り、周囲を濡らしてしまうことがある。
- 一部汚れの残留:特定の汚れに対しては完全に除去できないことがある。
高圧洗浄の値段
高圧洗浄の費用は、洗浄する面積や汚れの程度、使用する機材などによって異なります。一般的には、以下のような価格帯が見られます
- 住宅の外壁洗浄:1平方メートルあたり約150円〜200円。
- 屋根洗浄:1平方メートルあたり約150円〜250円。
バイオ洗浄とは?
一方、高圧洗浄よりも後から売り出されるようになったバイオ洗浄は、微生物や酵素を使用して汚れを分解・除去する洗浄方法です。
バイオという言葉は「生物」を意味し、この洗浄方法では自然界に存在する生物の力を利用します。
バイオ洗浄は、住宅やビルの外壁、屋根、さらには太陽光パネルなどのクリーニングに多用されます。
洗濯用洗剤「アタック」とはどう違うのか?
バイオ洗浄と聞くと、一番身近で思い当たるのは洗濯用洗剤「アタック」ではないでしょうか。この製品には、特定の「バイオ酵素」が含まれており、襟や袖の皮脂によるたんぱく質汚れを落としやすくするために、バイオ酵素が配合されています。
一方、外壁や屋根のバイオ洗浄は、異なる種類の微生物や酵素を用いて、特定の汚れや藻類、カビなどをターゲットにします。
バイオ洗浄の注意点
業者の利益目的のため、バイオ洗浄を進めている場合があります。以下の3点には注意してください。
環境に優しいは本当?
結論から申し上げると、実際は優しくない可能性があります。
バイオ洗浄のうたい文句として、
・自然由来の成分を使用するため、環境に優しい。
・化学薬品を使用しないため、作業者や周囲の安全性が高い。
などがありますが、多くのバイオ洗浄剤の取り扱い方法には、
「外壁周囲の養生をしてください」、
「ゴーグル、ゴム手袋、レインスーツなど適切な保護具を付けて洗浄してください」などと必ず記載があります。
安全性が高いといっても、このような記載がある以上、人体や植物には影響があるので記載があるのではないでしょうか。
比較的安全なバイオ系洗浄剤もありますが、周囲の植栽や水槽の養生は必要です。
業者の「優しい・安全」のうたい文句を安易に信じずに、屋根や塗装の汚れの条件に合う洗浄方法を選択してください。
正しく使わないと、効果がないどころか悪化!?
バイオ洗浄の作成方法として、広い面積に散布する場合
①一度バケツの中に水を入れて、その中にバイオ洗浄を入れます。
②洗浄を始めると、バケツの水が無くならないように、水道から水が出しっぱなしの状態になっています。バイオ洗浄は都度継ぎ足して行きます。
すると、バイオ洗浄の薬品の濃度は均等に希釈されずらいという現象が起きています。
使用箇所によっては、薬品が濃い、薄いなどがあり、確実に薬品が散布されない可能性があります。
カビや藻のある部分スポットで、均一な濃度にてバイオ洗浄を使用するのが効果があります。
洗い流さない業者がいる!?
さらに、バイオ洗浄は通常、洗い流さなければいけません。
食器や衣類の洗濯でも洗い流す工程が必要なように、外壁も例外ではありません。
バイオ洗浄が安価で提案された場合、洗い流す工程が含まれていない可能性があります。
バイオ洗浄を洗い流さない場合、最悪のケース、新たにカビの発生原因になるので注意が必要です。
バイオ洗浄がおすすめの外壁の状態
- 苔やカビが発生している場合
バイオ洗浄の効果
バイオ洗浄は以下のような効果があります
- 藻類やカビの除去:微生物や酵素が有機汚れを分解するため、藻類やカビを根本から除去します。
バイオ洗浄のメリットとデメリット
メリット
- 持続効果:微生物や酵素が長期間にわたって作用し続けるため、効果が持続します。
デメリット
- コストが高い:バイオ洗浄+高圧洗浄はセットになるため高価になります。
- 即効性が低い:汚れの除去に時間がかかる場合があります。
- 藻やカビの発生原因になる:苔やカビを落とすためのバイオ洗浄ですが、しっかりと洗剤を落とさない、乾燥を怠るなどをすると、実は再度、藻やカビの発生原因になります。
バイオ洗浄の値段
バイオ洗浄の費用も、洗浄する面積や汚れの程度、使用する薬剤の種類などによって異なります。一般的には、以下のような価格帯が見られます。
- 住宅の外壁洗浄:1平方メートルあたり約300円〜500円
- 屋根洗浄:1平方メートルあたり約300円〜550円
なぜバイオ洗浄は高単価なのか?
バイオ洗浄が高圧洗浄よりも高単価になる理由は、
工程の期間の長さです。
バイオ洗浄は、洗剤を使用するため、洗剤をしっかりと流し、乾燥をさせることが必要です。
そのため、通常の高圧洗浄よりも多くの水を使用し、洗浄後2~3日間しっかり乾かさなくてはいけません。
高圧洗浄は、半分の時間(約1~1.5日の乾燥時間)で塗装することができます。
高圧洗浄に比べて「洗剤を洗い流す」1工程が増えるため、高単価になります。
バイオ洗浄と高圧洗浄のコスト比較
高圧洗浄とバイオ洗浄では、バイオ洗浄のほうが価格は高くなります。
・高圧洗浄(通常、1平方メートルあたり150円〜250円)は、
1回の高圧洗浄の工程で済むのに対し、
・バイオ洗浄(通常、1平方メートルあたり300円〜550円)は、
この差は、先程お話したように、
①バイオ洗浄をし、②高圧洗浄で流す、という2工程が必要になるため、高くなります。
まとめ:基本は高圧洗浄で大丈夫。壁や汚れの種類により、バイオ洗浄を
外壁や屋根を洗浄をするには大きく二つあります。使用用途として、
・高圧洗浄:基本的な汚れはこちらでOK
・バイオ洗浄:苔やカビが発生している場合は、その部分にバイオ洗浄をする
ただし、バイオ洗浄を使用する場合、しっかりと洗浄液を落とさないと
新たなカビの原因になるため、バイオ洗浄をする場合は、高圧洗浄(水で洗い流す作業)は入っているのか、その価格も込みなのか
作業工程を専門業者に確認してください。
また、カビの生えやすい面に関しては、塗装時にカビの発生を抑制する薬品を塗料に混ぜることによって、カビの発生を防ぐことができます。
一番は、高圧洗浄とバイオ洗浄を組み合わせることで、効果的な洗浄が出来ますが、
カビや苔がない場合、基本的には高圧洗浄のみで大丈夫なケースがほとんどです。
業者の、環境に優しい、きれいにとれる、長持ちするなどの営業トークをうのみにし、
バイオ洗浄のみ依頼することがないように、ご自身で正しい知識を持ち、専門業者に相談してみてください。